先日の音源についての解説を少ししたいと思います。自分の考えを深めるための記事なので特に読まなくても構いません。
「In a room」の時は、私の決めたルールに基づいた音を演奏してもらうようにしましたが、今回は曲に合わせてルールに基づいた音を演奏してもらうようにしました。ルールとしては、以下の通りです。
・客席の間を移動する
・楽器の通常の音域内にある半音階を使う
・時間が進むごとに音形を増やしてゆく
3人のフルート奏者にこれを伝えて、ステージ上ではピアノとフルートによる演奏を行いました。そのためミュージカルのようにホール全体が演奏会場になりました。
客席を周るフルートの音は風に舞う桜の花びらを想定し、ステージ側は綺麗な旋律と折り返してばかりの旋律を繰り返し並べ、春の何とも言えない虚無感や悲壮感を感じつつも徐々に進んでいこうとする気持ちを表しました。ピアノの音形も時間が進むごとに音数を増やすことで、生命の芽生えをはじめとする春の動きを…、という感じです。
旋律は楽譜に書いたのですが、伴奏やフルートに関しては即興的に合わせることにしました。そのため、想定していた以上の良い結果につながりました。
今回の作品もそうですが、今は立体的な音響や自然と人工物の対比などに関心を寄せています。音楽はステージの上で演奏されなければならない訳ではないので、聴いている人にどのようにアプローチが出来るかということをこれから追及していきたいと思います。
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